本物の本場結城紬だけが持つ軽くて暖かい独特の風合いは、長い年月をかけて培われた先人の知恵と熟練の技を持つ職人たちが、多くの工程を丁寧に時間をかけて製作することでできあがります。
本場結城紬の製作には、1反分あたり約2100個もの上質な繭(まゆ)が必要です。
上質の繭5〜6個を使用して、真綿1枚ができあがります。その真綿50枚を1ボッチ(25匁:94g)と呼び、1反分(7ボッチ)から、70日〜80日かけて、糸を熟練のつむぎ手の手で丁寧につむいでいきます。
絣の柄部分に染料が染み込まないように絣糸を綿糸でしばります。本場結城紬には、亀甲柄が80・100・160・200個入る4つのクラスがありますが、絣くくりでしばる箇所は、そのクラスに応じて160〜400箇所にもなり、期間も平均で3ヶ月位、複雑で精巧なものになると6ヶ月以上になることもあります。
絣くくりをされた箇所と箇所の間にしっかりと染料を染み込ませるため、枷を地面に叩き付けて染める「たたき染」を行います。
本場結城紬は、地機とよばれる最も原始的な機織り機を用いて1500年前から変わらぬ製法で、熟練の織り手によって丹念に織り上げられます。1反分の織上げ日数は、平均約3ヶ月、最高で1年もかかることがあります。
温度40℃〜50℃の湯に酵素を入れ、お客様の希望(単衣・袷)により時間(30分〜60分)を調節します。2〜3回、濯ぎ脱水して伸子張り(1反で330本)をして、自然に乾かします。たて・よこが均等に張れ紬本来の味が出ます。