本場結城紬〜本物への拘り

茨城の社長TV

社長TV 茨城の社長で、当社の3代目が本場結城紬について思いを語っております。是非ご覧ください。

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すべては結城紬のために

弊社社長井上泰臣が抱く、「本物への拘り」本場結城紬への思いが朝日新聞2017年3月15日(夕刊)に掲載されました。


朝日新聞-20170315掲載

国の重要無形文化財、そしてユネスコ世界無形文化遺産。こんな称号を持つ織物、それが本場結城紬だ。しかし本場結城紬と呼ばれる為には、条件が三つある。
一、使用する糸は真綿より手紡ぎしたものだけとし、強撚糸は使用しない。
一、絣模様を着ける場合は、手くびりによること
一、地機で織ること
この条件をすべて満たし、検査に合格して本場結城紬と呼ばれる。本場結城紬とは、単に結城で織られた紬、ではないのだ。

中略

暖かく柔らかな風合いが特徴の結城紬を結城紬たらしめているのは、三つの条件中でも特に糸。結城紬の糸作りは、きわめて独特だ。

中略

だが、かつて結城は不正糸の問題に揺れたことがあった。井上氏は言う。「糸なんていうことは、共通認識として国産糸であるという前提で、それまで疑いもしなかったですから。糸は糸屋さん、機は機屋さんて、みんな餅は餅屋で。ところが、外国で作っている糸じゃないか、手紡ぎの糸じゃないんじゃないかっていう問題が・・・」。消費者が疑問に思って持ちこんだ商品を検査した結果発覚した話だ。また、国産真綿から紡いだ糸のはずなのに、その生産量に比して紬の反数が多いという不思議なことがあったと言う。そのため平成二十六年に本場結城紬検査協同組合の検査規定を「国産手つむぎ糸以外での原料糸を使用した製品は受検出来ない」と改定した。

中略

正真正銘の本場結城紬を守るために独自の道を歩き始めたのだ。糸は国産以外取り扱わないと決めた。そして考えたのは、消費者への品質保証。製品一つ一つに品番を打ち、誰の作った真綿なのか、糸なのか、手くびり絣なのか刷り込みなのか。こと細かに、宝石の鑑定書のような保証書をつけて渡すことにした。勿論国産手つむぎ糸以外は一切受けつけない厳しい検査を行っている。

中略

結城紬はきわめて価値の高い織物だ。国内での評価だけでなく、世界的にも認められた織物。名誉あるその評価の高さゆえ、抱える問題は大きく深くなるのかもしれない。今こそ正しい情報を出さなくては、と井上氏は考える。

朝日新聞2017年3月15日(夕刊)掲載広告より


保原の真綿から紡ぐ純国産糸にこだわる井上商事のものづくり

井上商事の純国産原料へのこだわり

井上商事の純国産原料へのこだわり

本場結城紬は、ほとんど撚りのない手つむぎ糸を経緯に用いて地機で織り上げる、世界に類を見ない織物です。古式を守った技法は、国の重要無形文化財、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

その最大の特徴は、空気を多く含んだ嵩高の糸を使うことで生まれる、軽く、柔らかく、暖かな生地質。井上商事では、福島県・保原で作られる真綿を使った上質な純国産の糸を用いて、最高の風合いを追求してきました。「本場結城紬ならではの着心地をひとりでも多くの方に知っていただきたい、この最高の織物を次世代に伝えたいという一心で、制作に取り組んできました。特に糸が大切なので、日本の繭で自分が本当に納得いく商品を作りたいと思っています」

福島県の繭

佐藤正行さんと真綿の原料となる福島県産の繭

福島県は古くから養蚕が盛んで、真綿作りでも知られています。結城紬に使われる真綿の原料となる繭を作る農家である佐藤正行さんはこの道50年余り。「養蚕は子供を育てるのと同じ。生後12日でここに来て成長する姿が可愛いんですよ。きらいではできない仕事です」

保原の真綿

野田定吉商店と福島県伊達市保原町で作られる保原の真綿で「入金真綿」

糸の原料となるのは、福島県伊達市保原町で作られる真綿で「入金真綿」と呼ばれます。江戸時代から数百年の歴史があり、古くから有名でした。特徴はその形状。繭を袋状に袋真綿で、全国でもほかにはありません。「野田定吉商店」は明治29年創業で、野田喜巳さんは真綿作り三代目。「袋真綿は角真綿より手間がかかりますが、手作業で品質の良さを守り、結城紬にも使われてきました。後継者不足ですが、保原にしかない袋真綿作りの伝統を守りたいと思っています」

『純国産の入金真綿作りを支援します』 安藤俊幸さん(大日本蚕糸会副会頭)

純国産の入金真綿作り

入金真綿は、福島県川俣町の養蚕農家が生産する繭を保原の真綿業者が真綿に加工したもの。この「国内生産履歴のはっきりとした純国産入金真綿」の普及啓蒙を始めたのは平成20年。以降、国の支援を得て、関係する養蚕農家、真綿生産者、結城紬製造業者、絹織物販売業者等の連携強化により、純国産入金真綿を原料としたものを作り上げてきました。今後、「純国産結城紬」の消費拡大に期待しております。

手つむぎ糸

井上商事の純国産結城紬へのこだわり

本場結城紬の最も大切なポイントが糸作り。井上商事ではすべて保原の真綿から手つぐみした糸を使います。一反分をつむぐのに70〜80日は掛かるという手間の掛かる作業で、細かい絣に用いる細い糸を一定の太さで揃えるのは時間と技術を要します。

結城縮には強撚糸(きょうねんし)を使用

自然に縮れるほど強い撚りが掛かった糸

結城紬には平織りのほか、縮織(ちじみおり)があり、緯糸の地糸に強撚糸を用います。基本的な作り方は平織りと同じですが、緯糸には八丁撚糸機で千二百回転の強い撚りを掛けます(写真は自然に縮れるほど強い撚りが掛かった糸)。右撚りと左撚りの強撚糸の緯糸を交互に打ち込み、湯もみをすることで、シボのあるさらりとした風合いに。

絣作り・糸染め

昔ながらの技法で新しいデザインに挑戦

結城紬の絣は手括りが基本です。図案に従って括る部分に印を墨付けして、木綿糸で括ります。括ったところが防染されて白く残ります。一方、きものの地色が薄い場合は、手捺染で濃い色の絣を染めます。経糸、緯糸それぞれに細かい絣を作るのは大変手間の掛かる作業。絣作りをする野村孟さんは「昔ながらの技法ですが、新しいデザインに挑戦して、今までにないものを作っていきたい」といいます。

地機織り

本場結城紬の特徴、地機織

本場結城紬の大きな特徴のひとつが地機で織ること。地機は経糸を腰で張って織る古い形のの織機で、絣を合わせて織るのには熟練を要し、効率的な高機より製織に時間も掛かります。地機は杼打ち2回、筬打ちを2回するため、打ち込みが良く、また上糸は動かず、下糸だけが綜絖で上下することから凹凸によって布の表面積が広がり、独特の地風になるのです。

整理

反物を生かすも殺すも仕上げ次第

本場結城紬では、整理と呼ぶ仕上げ作業が非常に大切です。制作過程では強い糊を付けて作業し、完成して販売後、仕立てるときに糊を落として初めて柔らかい本来の風合いになるのです。結城紬を熟知した産地で仕上げ整理をするのが一番で、全国の呉服店から反物が産地に送られてきます。結城市で先代から整理業を続けている横島徹さんは「反物を生かすも殺すも仕上げ次第と思っています」

「井上商事」のルーツ旧「関新」

井上商事のルーツ旧「関新」

「関新」は文化3年創業。お店は閉じましたが、長らく結城で唯一の買次商だった旧家です。明治20年には山縣有朋とともに結城紬の商標登録に尽力。明治天皇に献上した結城紬を製作するなど、結城産地の発展に寄与してきました。その『関新』六代目の一番番頭だったのが『井上商事』の初代になります。『関新』の二百メートル以内に店舗を構えることを条件に昭和元年に買次商としてのれん分けをしたのが井上商事の始まりです

美しいキモノ 2018春号(ハースト婦人画報社)美しいキモノ 2018春号(ハースト婦人画報社)より引用



本物へのこだわり

伝統製法 Traditional Method
結城紬の製法 本物の本場結城紬は、1500年前とかわらぬ地機という最も原始的な機織り機を使い長い時間をかけて丹念に織り上げられます。
弊社では、それぞれの工程を誰が行ったのかを商品に明記し、伝統的製法を用いた本物の本場結城紬であることを証明しております。

最高の品質 Quality Goods
本場結城紬検査協同組合の検査合格之証・証紙
多くの工程と時間をかけて作られた結城紬は、幅・長さ・打ち込み数や模様ずれなど15項目にもおよぶ厳しい検査を受けます。この検査に合格したもののみを「本場結城紬」と呼び、その証として合格証・商標が張られます。
縞屋の誇り Pride of Shima-ya
結城紬の品質保証 弊社では、お客様に、自信をもって本物の本場結城紬をお届けし、本物だけが持つ素晴らしさを堪能していただきたいとの信念から、弊社で取り扱う結城紬には、検査の合格証の他に弊社独自の証明書を貼り付け、万が一製法・品質に不備が合った場合には、その商品に対して責任を負わせていただいております。また、過去に取引された結城紬であっても弊社の正規ルートで販売された製品であれば、遡って出自を確認することができます。
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